2025.10.15

4/1育児介護休業法改正のあらまし

10月改正と合わせて確認しましょう

令和7年4月1日施行 育児・介護休業法 改正ポイント(介護関係)


 1.介護に直面した労働者への「個別周知・意向確認」が義務化

  • 対象:家族の介護に直面したすべての労働者

  • 事業主の義務
     労働者が家族の介護に直面した場合、
     ①介護休業制度などの制度内容を個別に周知し、
     ②介護休業の取得などに関する労働者の意向を個別に確認することが義務化。

  • 方法
     面談、書面、メール、オンラインなど、個別に行う。

  • 目的
     介護が始まっても退職せず、早期相談→柔軟な働き方で継続就業を実現すること。


 2.介護のための「柔軟な働き方制度」の導入義務

  • 企業の義務
     介護を行う労働者が利用できるように、次のような柔軟な働き方措置を少なくとも1つ設けること。

  • 具体例
     - 始業・終業時刻の変更(時差勤務)
     - 短時間勤務制度
     - 介護のためのテレワーク制度
     - フレックスタイム制度
     - 介護のための休暇制度(有給・特別休暇)など

  • ねらい
     介護を理由とした離職防止と働き続けられる環境整備の実現。


 3.勤続6か月未満の労働者も「介護休暇」の対象に

  • これまで:
     介護休暇は「入社6か月以上」の労働者が対象。

  • 改正後:
     勤続6か月未満の労働者も介護休暇を取得できるように変更。

  • 目的
     入社後すぐに家族の介護に直面した場合でも、休暇を利用できるようにするため。


 4.事業主の雇用環境整備義務の強化

  • 企業は、介護と仕事の両立ができるようにするため、次のような雇用環境整備が義務化または強化される。
     - 制度内容の社内周知

    • 社内相談窓口の設置

    • 社員・管理職への研修実施

    • 両立事例の情報提供

  • 特に管理職への教育は、職場での柔軟対応を進める上で重要視される。


 5.助成金制度との連動(両立支援等助成金)

  • 厚労省の「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」の要件も改正内容に対応予定。

  • 介護休業の取得支援・復職支援・勤務柔軟化措置の導入が助成対象となる見込み。


 6.関連する就業規則・社内制度の整備が必要

  • 改正法施行にあわせて、就業規則・社内規程の見直しが必須。

  • 特に以下の点の明記が必要:
     - 「介護休暇の取得要件の緩和」
     - 「個別周知・意向確認の方法」
     - 「勤務柔軟化制度(時差勤務・短時間勤務・テレワーク等)」

制度の目的

  • 家族の介護を理由とした離職を防止し、
     誰もが介護と仕事を両立できる社会の実現を目指す。

  • 労働者の早期相談と企業の柔軟対応を制度的に後押し。


 厚生労働省 公式資料

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